千代の幽凪

-記


後書



 読んでくださってありがとうございます。

 やっと暗簾の恋愛絡みの話が書けたのですが、なんか悲しい話になってしました。
 暗簾にとってのトラウマ・・・ではありません。どちらかというと黒歴史的なものになります。

 実は自分で満足できてないんで、あとで少し書き直すかもです。
 手を抜いたわけではなく、どうすれば言いたいことがうまく表現できるんだろう、とか、ここはもっといい書き方があるんじゃないだろうか、とか思うところがあるのですが、現時点での限界を感じて今に至ってるところです。

 これは他の作品にも言えることなんですけど、時間とか年齢とかが書きにくくてしょうがないです。
 現代をベースにすれば楽なんですけど、自分のいる世界とは違う雰囲気の異世界なのに、朝昼晩や四季や天気が普通にあって、人物の年齢も普通の人間と同じなわけにはいかず、だからといって、説明するのに例えとしてにリアルを引き合いに出したら意味ないし・・・。
 例えば、この話の暗簾を「人間で言うと7歳の子供」とか「小学2年生くらい」なんてとても言えないと思うんです。そう言えればとても分かりやすいですけど、できれば「文字での説明」ではなく、小説としての表現とか描写にこだわりたくて・・・と言ってもうまくできないのが自分でも残念です。できれば読み手さんに自然と、雰囲気で分かって(想像して)もらいたいなあと。
 今回はとくに難しかったです。この話の暗簾は、「少年」というだけでは幼さが伝わらないし、金穂も、少女とも大人の女性とも言えない年齢だから、一人ひとりの描写だけじゃなくて、この二人の年齢差もどう言ったらいいのか・・・あああ。

 それと、時間のこと。もしかしたらすべての出来事がやたら早く感じられてしまったかもしれません。
 時系列で追うと、まず、晃牙一族がイタチに弱体化されるまでは結構長い時間かかってます。あ、その前に、晃牙が栄えるまでも、もっと時間がかかってます。歴史歴史言ってるんで、何百年という単位の話。そういうのを入れるともっと長くなりそうだったので思い切って省きまくりました。
 心情的なものが複雑なので、晃牙と箕雨、カマイタチとの関係とか、そういう背景まで細かく書いたら(私が)大変なことに・・・。晃牙がどれだけ凄い一族だったか〜その晃牙が滅ぶまで〜って、もう番外じゃなくて単独長編になってしまいそうです。そんなことしたら、暗簾のポジションは大事だけど、かなり出番が減ってしまうだろうし、そんな壮大な話の中でどれだけ存在感を出せるかってことも問題に・・・。
 それはそれでいいかもですけど、私の気力が足りませんでした。

 それから、暗簾と金穂があちこち行ったり来たりしてるのも、人間の世界で言うと数時間経ってます。先に書いてますが、時計どころか朝昼晩とかはっきりしたものがないので・・・これは、目安となる何かを設定するべきだったかもしれません。
 なので、暗簾が眠らされていた時間も結構長かったつもりなんです。イメージでは、半日〜1日近く、くらい。

 あと、突然出てきた妖獣。イタチは大人の人間くらいの大きさで、キツネはその3倍くらいです。ちなみに姿は普通の動物じゃなくて、ゲームとかに出てきそうな、ちょっと変な感じ。
 こうしてみると書けてないことがいっぱい・・・ほんとすみません。


■暗簾
 年齢は人間でいうと6,7歳。本編でありましたが、家族とか周辺の仲間を食べて成長した段階。
 子供だから可愛くしたかったんですが、あまりにもかけ離れているのもおかしい気がしたので、妙に大人びた子供になってしまいました。元々賢いというか、よくも悪くも知能が高いので、あんな感じで。
 なんで金穂に執心したのかは、普通に好みだったから。大人になっても本当はああいう(性格がよくて優しくてか弱くて、守りたいと思うような)女が好み・・・というか、そういう人は普通にモテるんじゃないでしょうか(笑)。見た目がいいというのは必須で。

■金穂
 ちょっと分かりにくいキャラだったような気がします。年齢は暗簾の10歳上くらいです。16,7歳くらい。
 雷心が好きだったのは元からですが(昔会ったことがある程度なので憧れ的なものに過ぎませんけど)、だから暗簾を置いて行ったってわけではないつもりでした。野暮ったいですが、暗簾の誘惑に心が動いたのも本当だし、着いて行けば多分幸せになれたんでしょうけど、一度こうするって決心していたことを思い出して、逃げているような罪悪感のほうが勝ってしまった、みたいな感じです。でも手紙のせいで暗簾が誤解したことになってしまいました。
 暗簾が子供だったことと時間がなかったせいでもありますが。
 もし暗簾とくっついてたら、暗簾の人生(?)はかなり変わっていたと思います。たぶん仲良し夫婦になれたんじゃないかなと。
 暗簾の性格自体は変わらないでしょうけど、金穂の性格がいいし、家族もなくて自由だし、自分が守ってやらないとって思わせる、(うちでは珍しく)可愛らしい女性なので。まあ、そうすると本編での話はなくなってしまいますけどね。
 もし二人がくっついたとして、別れるとしたら暗簾が捨てられるでしょうね。あと、もちろん雷心とくっついてたら、なんの障害もなく幸せになれてたと思います。同族だし、雷心も性格いいし、身分もちゃんとしてるんで、暗簾に勝ち目がないのは仕方ないです。

■最後のシーン
 うまく説明できなかった・・・。
 ここで言うのもアレですが・・・暗簾は晃牙約50とカマイタチ約700の死骸を食って成長して、金穂の死体に寄生してたわけです。そのあとのイタチ約300くらいは、金穂の能力を使って戦ったので、あんまり食べてないと思います。
 ラストでは金穂と同じくらいの年齢になってました。本編の暗簾はもう少し上です。
 本当は生きてるのしか食べないんですけど、今回は緊急だったのと、まだ死体が新しかったのでなんとかいけた感じです。
 面は金穂の死体から暗簾が勝手に作ったものです。普通は作れませんが、寄生することでその人の能力とかも微妙にコピーできる・・・って、このことはもしかして今まで一回も説明したことなかったかも?
 すみません、どこかで書こうと思ったまま、形にならずにそのままにしてたような気がします。そもそも本編でその能力を使えなかったのは問題ですよね(汗)。

 さすがにハッピーエンドとは言い難いですけど、暗簾目線だと「仕方がないこと」であり、金穂目線だと、本当ならそのまま死んでたところ、暗簾に会えたので何かしら残すことができたということで、最悪ではなかったつもりです。
 できれば、「暗簾最低」ではなく、暗簾は頑張ったと評価して欲しいなと思っています。どちらかというと、最悪なのは金穂かも・・・?
 暗簾の愛情表現が歪んでるのは確かですが、「子供だから軽視された」「他の男に取られた」という誤解と悔しさがあったので、大目に見てやってください。金穂も、一度決めたことを変えることができなかったというだけなので、悪女的な要素はまったくありませんし。

 いつか機会があれば、ちゃんとくっつく(か、いい感じになる)暗簾のほのぼの話も書いてみたいです。

 では、今回はこの辺で。
 失礼いたします。





  




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