◆登場人物◆



  ◆人◆


 ■汰貴(タキ)■

 幼い頃に両親に捨てられた15歳の少年。
 育ての親も数年前に亡くし
 赤坐と二人で盗みを働きながら流浪の生活を送っている。
 明るくて素直な性格。


 ■赤坐(アカザ)■

 汰貴の兄的存在。
 汰貴を本当の弟のように可愛がっている。
 今はスリ・イカサマで食いつないでいるが、
 昔は盗賊の仲間で、生まれついての盲目だった。
 武流に目を治してもらい、賊から足を洗った。


 ■麻倉智示(アサクラトモジ)■

 名家麻倉家の嫡男。
 汰貴と瓜二つの姿をしている。
 親からの愛情を受けられず閉鎖的な性格。


 ■武流(タケル)■

 汰貴と赤坐の育ての親。
 強い力を持つ高僧の身でありながら
 ある女性との間に子供を作ったとして仏門を追放されていた。
 二人が幼い頃に亡くなったが死因は不明。




  ◆妖◆


 ■斬太(ザンタ)■

 汰貴と赤坐の前に突然現れた隻眼の妖怪。
 チビで地味な姿をしているが、人の心を読み魂を食らう
 凶暴な能力を持っている。


 ■久遠(クオン)■

 斬太の弟。
 兄とは似ておらず、美しい姿をしている。
 ある理由により天上界に隔離されていたにも関わらず、
 妖怪に殺されてしまった。
 嫉妬に狂った斬太が殺したと言われているが、真実は謎。


 ■虚空(コクウ)■

 鋼の翼と鋭い爪を持つ残虐なカラスの妖怪。
 斬太の宿敵。


 ■暗簾(アンス)■

 寄生能力で周囲を操る妖怪。
 天上界の禁忌に触れ、依毘士に処刑されている。


 ■才戯(サイギ)■

 暗簾や虚空と並ぶ極悪妖怪。
 牙落刀(がらくとう)という呪われた宝刀の使い手。
 暗簾の共犯者として同じく依毘士に処刑された。




  ◆神◆


 ■依毘士(エビシ)■

 毘盧遮那仏の眷属。
 天界から遣わされた地獄の死刑執行責任者。
 天竜を小型化し、常に傍に置いている。
 罪人を葬ることだけに従事する特殊な存在。


 ■鎖真(サスマ)■

 帝釈天の眷属。
 同じく天界からの使者であり、依毘士に忠実な部下。
 「断罪神」として妖怪から恐れられている。


 ■樹燐(キリン)■

 鬼子母神の眷属。久遠の管理役。
 この話の紅一点。
 気位が高く、男にも引けを取らない迫力がある。


 ■音耶(オトヤ)■

 閻魔大王。新任で少々頼りない。
 死者専門裁判官であり、罪人の管理責任者。