後書




■ たまには音耶にいい思いをさせてやりたかったのですが、そうでもなかったようです。最終的にいい嫁をもらえればそれでいいのですが、それもまだはっきりさせないままで。
 それと、いつも音耶を虐めている鎖真にも制裁を、と思ったこともありましたが、結局どっちもダメでした。

■ 葉鷲実は人間の年齢だったら13歳くらいです。この世界での適齢期というのは15〜17歳くらい。
 それとどこかに書いてますが、玲紗は18、9歳くらい。樹燐は20歳くらいです。
 樹燐と玲紗に関しては、「お前が言うな」なシーンもありましたが、棚上げは日常茶飯事なので気にしないでください。ついでに玲紗は、樹燐にとっても鎖真にとっても生意気な妹みたいな存在です。

■ 個人的に残念だったのが、とうとう音耶の父親が出てきてしまったことです。
でもあの場であの会話ができる人が他に思いつかなかったし、依毘士だとそんなに喋らないから成立しないしで、思い切りました。
 父も他の人と同じように個人名はあります。でもこの人は細かい設定は決めてないので、特に出しませんでした。決めてないわけは、この人は典型的な閻魔大王の姿をしていて、性格的にも、困った息子がいる以外は個性的なキャラではないからです。
 ここでまたいちいち父親の設定や外見を説明すると余計な文章が増えるので省略しました。

■ 戦闘力(?)について。
 地獄の鬼が実は結構強いんです。
 普通に強い武神を50として簡単な数値にしてみると(暗簾・才戯・虚空もここ)、鎖真は85で依毘士が100くらいです。依毘士は天竜込みなので、外すと80くらいです。と言っても、天竜だけだと余裕で100を超えるほど突出してます(皇凰も同じ)。依毘士と同化してて自由ではないので足して割ったような数値になります。で、鬼たちは鎖真と同じくらい。
 なんで雑魚っぽい鬼たちがこんなに強いかといいますと、魔界で強い部類に入る妖怪と同じ50くらいだと、同じレベルの死者が暴れたときに手に負えないからです。本編で才戯が暴れたようなことがあったとき、同等の鬼しかいなかったら逃げられてしまう可能性もあるわけで。地獄が並の統治だと乗っ取られるかもしれないし。
 でも本文に書いてたように訓練はとくにされていないので、戦などには出ることにはなりません(元々地獄は戦力外)。現実世界でいうと熊とかゾウみたいなもので、馬力が桁違いなのです。
 依毘士と鎖真が普通の武神より強いのも似たような理由です。天上界にいたころでも、鎖真は60くらいの力はありましたが、地獄に所属したことで鬼と同等の力を持ちました。こんなふうに力が確立されると気持ちが落ち着いて気分がいいらしいので、よほどの理由がない限り二人は天上に戻る気はないようです。
 依毘士は、天竜と同化したときに戦力を持っただけで、その前はほぼないに等しい人でした。

■ 本編の後書に少し書いてますが、依毘士は邪神ではないです。今までに出た神仏で邪神ではないのは依毘士と葉鷲実、音耶もギリギリで仲間。あ、帝とか格の違う人はまた別です。
 ここで言う線引きは、清廉潔白かどうか。依毘士は処刑係なだけで殺人はやったことないので、魂は綺麗なままなんです。
 それと、体内で異性(の気)と交わった経験があるかどうか。いわゆる性交。音耶は罪を犯したことはありませんが、いずれ跡継ぎが必要な人種なのでそのうち邪神側になる予定。だから体がぼちぼち準備されているので、ギリギリということ。葉鷲実は必ず結婚しなければいけない立場ではないので、まだ綺麗。
 依毘士は結婚してたんじゃないの?ということに関しては、番外編「籠目の向う」で書いてます。
 邪神と言っても悪い人ではありません。種類の問題です。

■ タイトル…実は下ネタです(笑)。密教用語で「蓮華」は隠語です。あとはご想像にお任せします。
 そこまでこだわってるわけじゃないのですが、本当は「争」だけじゃなくて「争奪戦」まで書いたほうが正しいんですよね。でもそれじゃなんかダサいのと、争だけのほうが語呂がよかったのでノリでやりました。

■ では、ここまでお付き合いくださってありがとうございました。
 千獄の番外は、次はまた違うシチュエーションのものを書きたいと思ってます。

 これからもどうぞよろしくお願いいたします。




緋都



◇ 次 ◇  ◇  ◇



Copyright(c) RoicoeuR. All rights reserved.